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2019.11.01 Friday

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    2015.12.13 Sunday

    きみは赤ちゃん

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      川上未映子の妊娠・出産エッセイ。共感する文章がたくさんあって、もしもマーカーで線を引いたらペンが一本なくなりそうなくらいでした。

      赤んぼうを生んでから日々さまざまなことを山ほど感じるのですが、それをひとつひとつ言葉にするのはとても困難で「ぼんやりとふんわりとなんとなくこんな感じ」というふうにしかいつも表現できないわたしですが、川上さんはやはりさすが作家なので言語化能力が素晴らしいのです。あー!そうそう!そう感じてたのー!みたいなことの連続です。

      たとえば、「この子はきっと、すぐに大きくなってしまうだろう。こんなふうにわたしに抱かれているのも、あっというまに過去のことになってしまうだろう。誰にも伝えられないけれど、でもわたしはいま、きっと想像もできないほどかけがえのない時間のなかにいて、かけがえのないものをみつめているのだ。そして、夜中を赤ちゃんとふたりきりで過ごしたこの時間のことを、いつか懐かしく思い出す日がくるのだと思う」という文章とか、まるごと全部わかりすぎます。
      この文章では特に病院で過ごした出産後の数日間の夜をやたらと思い出します。4人部屋のベッドは自分も含めてみっつ埋まっていて、仕切られたカーテンの奥で消灯後もオレンジ色に灯るライトの光がとてもやわらかく見えたこと。あのカーテンのなかで、おかあさんになったばかりのわたしたちは産まれたての赤ちゃんとふたりきりで夜を過ごして、みんなこんなふうに思っていたはず。

      特に「夢のようにしあわせな朝、それから、夜」「ありがとう1歳」という最後の章は、涙腺がゆるまずにはいられない名文。だれもがだれかの赤ちゃんだったんだよね。
      2019.11.01 Friday

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